現在を生きる私たちが受け継ぐ
「信仰と交流の場」
仏日山東祥寺は、約350年前に建立された歴史ある寺院です。建立には隠元禅師の高弟・独吼禅師の深い信念と修行が結実し、時を越えて町の信仰と暮らしを見守り続けてきました。創建当初は4ヶ寺2庵がひとつの寺院として統合され、現在の東祥寺へと姿を変えていきました。
古くからの歴史を伝える資料の多くは、火災により焼失してしまい、百年以上前の書物は現存していません。とはいえ、寺院自体の営みは絶えることなく、境内には時代を越えて息づく祈りと静寂があります。季節ごとに色を変える庭園、参拝者を迎える御堂、そして地域と人々を結ぶ行事も盛んに行われています。
東祥寺は、歴史の断片が焼失してしまったとしても、現在を生きる私たちが受け継ぐ「信仰と交流の場」です。かつての混沌を越え、今もなお静謐な空間の中で、心の拠り所となる一歩を踏み出す場所になることを心から祈っています。


